融資を受ける前にやっておきたい資金チェック

融資を受ける前に準備しておけば成功率UP

 

「そろそろ融資を検討したい」「資金調達が必要になりそう」――そう感じたタイミングでまず取り組むべきは、“借りる前の資金チェック”です。ここを丁寧に整えるほど、審査はスムーズになり、条件も良くなります。逆に準備不足のまま申請すると、余計な往復や時間ロス、場合によっては見送りにつながります。初心者でも迷わず進められるように、チェックシート・表・ミニテンプレを交えて、融資前に必ずしておきたい準備をステップ順に解説します。

 

STEP0:目的・金額・期間を一言で説明できるか

 

金融機関が最初に確認するのは「何のために、いくらを、どのくらいの期間借りるのか」。この3点を一言で言えるように整理しましょう。

 

項目 記入例 ポイント
目的(資金使途) 新規受注増に伴う運転資金 在庫・外注・人件費など具体化
必要金額 600万円 根拠(見積・注文書・予算)を添付
返済期間 36か月 キャッシュフロー上の妥当性を説明

 

STEP1:キャッシュの見通し(13週資金繰りミニ表)

 

審査では「返済原資=キャッシュフロー」が最重要です。まずは直近3か月(13週)の資金繰り表を作成し、入出金の山谷を可視化しましょう。最初は3週間版からでもOKです。

 

期首現金 入金合計 出金合計 期末現金 注意イベント
今週 2,400,000 1,000,000 1,350,000 2,050,000 家賃・外注支払
来週 2,050,000 2,300,000 1,200,000 3,150,000 A社回収、広告費
再来週 3,150,000 900,000 1,500,000 2,550,000 税・社保

 

この表を起点に、不足が発生する週の手当て(前受・支払分散・短期枠)を先回りで準備します。金融機関面談では、この“見える化”が高く評価されます。

 

STEP2:運転資金の妥当性(回転期間の簡易チェック)

 

運転資金の必要額は、売掛・在庫・買掛の回転日数から概算します。審査担当に「なぜその金額が必要か」を説明できる根拠になります。

 

指標 見るポイント
売掛回収日数 売掛金 ÷ 1日当たり売上 長いほど資金を食う。短縮交渉余地を検討
在庫回転日数 棚卸資産 ÷ 1日当たり売上原価 回転悪化は資金滞留。SKU圧縮・発注頻度の見直し
買掛支払日数 買掛金 ÷ 1日当たり仕入 長いほど資金に余裕。支払サイト交渉を検討

 

運転資金 ≒ 売掛金+在庫 − 買掛金。この差額が大きいほど手元資金の必要額が増えます。融資額の根拠資料として、現状の回転日数と改善計画をセットで提示しましょう。

 

STEP3:損益と返済余力(DSCR/返済比率)

 

黒字でも返済可能とは限りません。審査でよく見られるのが、返済能力を示す簡易指標です。

 

DSCR(元利返済カバー率)の目安

 

  • DSCR=(営業利益+減価償却費)÷ 年間元利返済額
  • 目安は1.2〜1.5以上。1.0未満は再検討が必要

 

返済負担比率の目安

 

  • 返済負担比率= 年間元利返済額 ÷ 営業CF(小売・サービスなどは特に重視)
  • 30%を超えると資金繰り圧迫のシグナル。期間延長や借換で調整

 

項目 数値(例) 所感
営業利益 12,000,000 改善傾向(前年+15%)
減価償却費 3,000,000 キャッシュ創出に寄与
年間元利返済 9,000,000 新規借入で+3,000,000予定
DSCR (12,000,000+3,000,000)÷9,000,000=1.67 基準クリア

 

STEP4:資金使途と見積の整合性

 

「いつ・何に・いくら使うか」を数字で示すと、審査の往復が激減します。根拠資料(見積・注文書・契約書・請求予定表)を揃え、支払いスケジュール入金予定を横並びにしましょう。

 

用途 金額 支払時期 入金原資 エビデンス
仕入(新商品) 2,500,000 2025/11 12月売上回収 見積・発注書
外注費(EC構築) 1,500,000 2025/12〜2026/02 受注増の粗利 契約・工程表
広告費 1,000,000 2026/01 新規獲得売上 媒体見積

 

STEP5:書類の整合性(審査が止まる“あるある”)

 

数字が合わない・書類が不足しているだけで審査は止まります。提出前に必ず照合しましょう。

 

提出書類チェックリスト

 

  • 直近2〜3期分の決算書(勘定科目内訳明細を含む)
  • 直近期の試算表(月次)と試算表からの資金繰り表
  • 税金・社保の納付状況(領収書・納付確認)
  • 借入一覧表(金融機関・残高・金利・返済額・満了日)
  • 代表者の個人信用情報(延滞があれば解消・説明資料)

 

数字の突き合わせポイント

 

  • 決算書の売上・利益と、申請書・事業計画の数字が一致しているか
  • 売掛・買掛・在庫の残高推移に不自然なギャップがないか
  • 税金・社保の滞納がある場合、分納合意書を添付しているか

 

STEP6:返済計画(“無理がない”を証明する)

 

返済計画は「月次の実現可能なキャッシュフロー」で説明します。過大な売上計画は逆効果。保守的な前提で、返済後に最低○○万円の残高を維持できることを示しましょう。

 

営業CF(予測) 元利返済 投資・臨時支出 月末現金(予測)
1月 1,800,000 250,000 0 3,200,000
2月 1,600,000 250,000 0 3,550,000
3月 1,750,000 250,000 広告300,000 3,750,000

 

金融機関には、“余裕資金を維持できる返済設計”が最も響きます。仮に下振れしても耐えられるバッファを数字で示しましょう。

 

STEP7:短期・長期資金の使い分け設計

 

審査では「資金のマッチング(資金調達の期間と用途の整合)」が問われます。短期資金で長期投資を賄うのはNGです。

 

用途 適した調達 期間の目安 コメント
運転資金 当座貸越・短期運転・カード 1年以内 季節変動や受注増の谷埋め
設備投資 設備資金・リース・制度融資 3〜7年 回収期間に合わせる
借換・一本化 中長期資金 3〜10年 返済負担比率の改善が目的

 

STEP8:面談でよく聞かれる質問と答え方

 

Q1. その金額の根拠は?

 

「売掛・在庫・買掛の回転日数から算出した運転資金ギャップ○○万円に、繁忙期の在庫積み増し○○万円を加えた合計です。根拠資料は見積と受注書です。」

 

Q2. 下振れ時の対応策は?

 

「広告費を最大△△%圧縮、外注支払の一部期日変更、短期枠の未使用分○○万円で対応します。13週表で週次管理しています。」

 

Q3. 税・社保の納付状況は?

 

「滞納はありません(または分納合意書を添付)。納付計画は資金繰り表に反映済みです。」

 

STEP9:提出前の“最終チェックリスト”

 

項目 完了 メモ
資金使途・金額・期間を一言で説明できる
13週資金繰り表(予測と実績)がある
見積・契約・請求予定の根拠資料を添付
借入一覧・返済計画(DSCR計算付)を作成
税・社保の納付状況がクリア(または分納合意)
数字の整合性(決算・試算・申請書)が取れている

 

まとめ:根拠×整合性×見える化が審査を速くする

 

  • 根拠:必要金額の算定根拠を回転日数とエビデンスで示す。
  • 整合性:決算・試算・資金繰り・申請書の数字を一致させる。
  • 見える化:13週表と月次返済計画で「無理なく返せる」を数値で説明。

 

融資は「お願い」ではなく、合理的な説明と計画の提案です。ここまでの準備が整っていれば、面談も書類審査も格段にスムーズになります。まずは本記事のチェック表をそのまま写して、今日から着手してみてください。

 

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